広島地方裁判所 昭和42年(行ウ)23号 判決
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〔判決理由〕そこで、右の事実関係から別表(七)記載の預金等が、原告会社の所得に該当するかどうかであるが、右認定の事由と後記三の認定とによると、原告の本件係争年度における帳簿の記載が不備であり、また確定申告も違法であつたのであるから問題の預金等が原告会社の所得に該当するのではないかとの疑を抱かしめる端緒、またはその資料たる事由であることは否定しがたい。しかしながら法人の所得の推計は、その法人の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支払の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数、その他事業の規模によりなすべきであり(法人税法第一三一条)、本件では、被告の本件更正の骨子は、前記預金等の資産の増減の状況のみに関するものであつて、その他の前掲の推計の諸事由については主張、立証を欠くところであり、のみならず、全証拠及び弁論の全趣旨により、前記預金等は和泉久夫個人の営利行為、同人の独裁する原告会社、合名会社朝日不動産の三者のいずれかの所得に、或いはこれら所得のなにがしかの部分に該当するものであると推測できるにしても、前記のとおり、それが原告会社の益金として発生した原因事実及び数額を推計すべき資料がないのであるから、この点の被告の主張は採用のかぎりでない。(長谷川茂治 北村恬夫 篠森真之)